04.11

「また買いたい」の声が止まらない──ファンに愛され続ける泉州タオルメーカー 新興タオルの魅力とは
「このタオルをまた買いたいのですが、どこに売っていますか」
新興タオルは、そんな問い合わせが絶えないタオルメーカーです。
一度使えば、そのやわらかさと吸水力に驚き、また欲しくなる──。肌ざわりと吸水性にこだわり抜いて作られたその1枚は、赤ちゃんから大人まで幅広い世代に選ばれ続けています。
今回は、新興タオル 代表取締役の土井様に、新興タオルの特徴や魅力、愛され続ける理由について話を伺いました。
新興タオルのコンセプトは「人生に寄り添うタオル」

― とても素敵なお店ですね。
ありがとうございます。ここは、地場産業である泉州タオルの歴史に触れながら、ゆっくりとタオルを選んでいただけるよう、アンティーク家具を取り寄せて整えたタオルショップです。
― たくさんのタオルが並んでいますね。御社のタオルは、どのようなコンセプトで展開されているのでしょうか。
「人生に寄り添うタオル」です。当社のタオルは、肌ざわりが非常にやわらかく、デリケートな赤ちゃんにもお使いいただけます。「人生に寄り添うタオル」というフレーズには、生まれたときから、大人になっても、ずっと使い続けていただきたいという意味が込められています。
実際に、泉佐野市の産院では、産後の退院時にギフトとして当社のタオルが贈られているんですよ。

― 本当にやわらかくてフワフワしていますね。なぜこんなに風合いがよいのでしょうか。
やわらかく仕上がる理由はいくつかありますが、一つは、糊がきちんと洗い流されていることです。
タオルは機械で織るときには糸をしっかりさせるために糊付けをするのですが、織った後に水で晒して糊を落とさないと、生地がゴワついて固くなってしまいます。
弊社では、食品にも使われるデンプンを主原料にした天然の糊を使っているので、水だけでしっかり洗い流せるのです。
― 織った後に水で晒すのは、泉州タオルの特徴と伺いました。
そうですね。泉州タオルでは、「後晒し」といって、織った後で水に晒し、染色しています。
長年作りたかった、夢を叶えたタオル「おぅ!えーやん」
― 御社のタオルは、ラインナップが豊富ですね。
はい、お客様の好みに合わせて選んでいただけるように、いろいろなタイプのタオルを用意しています。

ふんわりしたタオルを好まれる方、しっかりしたタオルを愛用されている方、扱い方を気にせずガンガン使いたい方…皆様が好まれるものをお届けできるように、ラインナップを揃えています。
ふるさと納税サイトには全シリーズを載せていますので、ぜひ使い比べてみてください。
― 御社のタオルは、どのシリーズも風合いがよく、やわらかいのが特徴と伺いました。
はい、やわらかさにこだわって開発しています。たとえば、ホテルタイプのシリーズ「Landwell」も、ホテルタイプとはいえ一般的なものよりかなりやわらかいです。

やわらかいタオルをお探しの方には、ぜひ「おぅ!えーやん」をお試しいただきたいですね。
「おぅ!えーやん」は、「オフセットヤーン」とよばれる糸で作られているタオルです。オフセットヤーンというのは、非常にやわらかく、吸水性にすぐれた糸で、通常はニットなどに使われているものです。綾部紡績株式会社(京都)さんのオフセットヤーンを手にしたときに、私が長年作りたいと思っていた、「ボリュームがあって、かつ、やわらかいタオル」が作れるのではないかと考えました。
やわらかい糸でボリュームのあるタオルを作ろうと思うと、強度が足りないため、耐久性の低いものになってしまいます。そのため、ボリュームがあるタオルは、固めになってしまいます。私は、「ボリュームがあって、やわらかい」ものを作りたいとずっと思っていました。

オフセットヤーンも、非常にやわらかい分、強度がないためタオルにするのは簡単ではありませんでしたが、試行錯誤を重ね、ボリュームとやわらかさ、そして耐久性を兼ね備えたタオルが完成しました。それが、「おぅ!えーやん」です。
― 「おぅ!えーやん」というのは、製品名なのですか。
そうです。完成品を使ってみて、思わず「おぅ!えーやん」と叫んでしまったことから、この名前がつきました(笑)。大阪を代表する製品が選ばれる「大阪製ブランド」にも認定されています。
ふるさと納税と弊社の公式通販サイト、そしてここのショップでのみ取り扱っているタオルなので、わざわざここまで買いに来てくださる方もいらっしゃるんですよ。
根強いファンが多く、問い合わせが後を断たないタオル
― タオルを買うためにわざわざ足を運ぶ方がいらっしゃるほど、素晴らしいタオルなのですね。
ありがたいことに、弊社のタオルを本当に気に入って使い続けてくださる方がとても多いです。タオルのタグを見て調べて、「どこで買えますか」と問い合わせてくださる方もいらっしゃるんですよ。
弊社のタオルは、洗うときに少しだけ工夫していただくと、肌触りのよさや吸水性の高さを保って使っていただくことができます。そうして大切に扱って、使い続けてくださる方が多いのは、とてもありがたいです。
― 洗うときの工夫というのは、どのようなことなのですか。
まず、たっぷりの水で、柔軟剤を使わずに洗っていただくのがおすすめです。そして、干す前に、「パンパン」と軽く振ってから干していただくと、乾いたときにふんわりします。
― それだけでやわらかくなるのなら、簡単ですね。
そうです。水に濡れるとパイルが寝てしまうので、そのまま干すと肌触りが固くなってしまうんですね。軽く振っていただければパイルが立つので、柔軟剤を使わなくてもやわらかさが保たれます。
柔軟剤を使うと糸にコーティングをしてしまうので、糸が持っている吸水力を弱めてしまうことがあるので、洋服の洗濯に柔軟剤を使われている場合は、別で洗濯していただくことをおすすめしています。
― お客様からの問い合わせが多いということですが、具体的にどのような声がありますか。
そうですね、たとえば、肌の弱いお子様がいらっしゃるご家庭からは、顔を拭く際に弊社のタオルなら痛くないという声をいただきました。アトピーで悩んでいらっしゃる方からも、同様の声をいただいています。
その他には、「髪が早く乾くから助かる」「お風呂上がりが寒くない」といった声も多くいただいています。
― お風呂上がりが寒くないというのはどういうことですか。
お風呂上がりが寒いのは、肌に水がついているためなのです。ですが、弊社のタオルなら水を一瞬で吸い取ってしまうので、お風呂上がりに寒いと感じないんですよ。
さきほどお話ししたように、弊社のタオルのよさを生かして使っていただくためには、少しだけ洗濯に工夫が必要なので、合わない方には合わないかもしれません。ですが、気に入ってくださった方は、わざわざ問い合わせたり、通販サイトを探したりして使い続けてくださっています。
わざわざ足を運んでくださる方のために作った「お客様をお迎えする場所」

― ここは、工場とは思えないほど素敵な建物ですね。
ありがとうございます。お客様がわざわざタオルを買いに電車に乗って来てくださるので、お迎えする場所を作りたいと思ってこのようにしました。タオルを製造する過程もぜひ見ていただきたいと思って、コーヒーを飲みながら工場の中を見ていただけるようにしているんですよ。


― 工場の様子を見ていると、こまめに機械を止めて作業をされていますね。
こだわりの糸を使って織っているので、綺麗に織るために調整が必要なため、時々止めて調整しながら織り上げています。
― ただ糸を機械にかけるだけでなく、手間をかけて丁寧に作ることで、お客様に喜ばれる素晴らしいタオルができあがるのですね。
タオルの上手な扱い方Q&A
タオルの洗濯方法や扱い方についてあまりよく知らなかったという方も多いと思います。そこで、タオルのやわらかさや吸水力を保ち、長く使い続けるコツを伺いました。
Q:泉州タオルには「1秒吸水」のものがあると聞きました。御社のタオルも「1秒吸水」ですか。
はい、すべて、泉州タオルの「1秒吸水」などの基準をクリアしています。弊社では、吸水力が高いのは当然と考え、そのうえで、肌触りのよさにこだわって開発しています。
Q:タオルを使っているうちに、パイルが出てきてしまいました。どうしたらよいですか。
出てきてしまったパイルは、はさみで切ってください。そのままにしておくと、どんどん伸びてきてしまうので、早めに切っていただくことをおすすめします。
Q:タオルの寿命はどれくらいですか。
一般的に、タオルの寿命は1年間とされていますが、実際には、お使いの頻度や状況によって異なります。「吸水力が落ちてきた」「風合いが戻らなくなった」と感じられたら、新しいタオルへの交換を検討されるとよいと思います。
Q:洗濯機は、ドラム式と縦型のどちらがよいですか。
ドラム式と縦型洗濯機は、洗い方が異なります。
- ドラム式:洗濯物を持ち上げて落とし、叩きつけることで汚れを落とす。
- 縦型:流水の中で動かすことで汚れを落とす。
タオルが叩きつけられると、どうしてもパイルがつぶれてしまうため、縦型洗濯機を使ってたっぷりの水で洗い、干すときに軽く振っていただくのがおすすめです。ドラム式を使われる場合は、最後まで乾燥させるとふんわり仕上がります。