2024
12.10
ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる?全額控除されないケースについても解説

ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる?全額控除されないケースについても解説

ガイド

ふるさと納税で寄附をすると、住民税や所得税から控除されます。また、住宅ローンを組んだ場合には、住宅ローン控除という制度も使えます。

そのため、住宅ローンを利用して住宅を購入した家庭では、

「住宅ローン控除がある場合に、ふるさと納税をしてもいいの?」
「ふるさと納税と住宅ローン控除を両方申告できるの?」

と気になっているのではないでしょうか。

この記事では、ふるさと納税と住宅ローン控除の併用について解説します。全額控除されるケース・されないケースについても詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

ふるさと納税・住宅ローン控除とは

まずは、ふるさと納税と住宅ローン控除についての基本情報を整理しておきましょう。

ふるさと納税とは

ふるさと納税の基本的な仕組み

ふるさと納税とは、自分で選んだ自治体に寄附を行うと、2,000円を超えた分が所得税や住民税から控除される制度です。

控除額は人によって異なり、所得を基に算出されます。また、ふるさと納税で控除を受けるためには申請が必要で、その方法は2種類あります。申請方法によって控除される税金の種類が異なりますが、どちらの場合でも合計額は同じです。

申請方法控除される税金の種類
確定申告住民税と所得税から控除される
ワンストップ特例住民税から控除される

ワンストップ特例とは、以下の条件を満たす場合に利用できる制度です。

  • 1年間の寄附先が5自治体以内である
  • その年に確定申告をしない

ふるさと納税の控除額については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用して家を購入した場合に、所得税や住民税から一定額を控除できる制度です。

控除額は住宅ローン残高の1%(最大控除額は年40万円)と決まっており、10年間または13年間適用されます。基本的には所得税から控除されますが、引ききれない分は住民税から控除されます。

なお、住宅ローン控除を受ける場合、初年度は確定申告が必要です(翌年度からは年末調整で手続きされます)。そのため、住宅ローン控除の初年度は、ふるさと納税のワンストップ特例制度が利用できないという点を確認しておきましょう。

ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる?

ふるさと納税と住宅ローン控除は、どちらも所得税や住民税から控除される制度で、併用ができます。つまり、両方の控除を受けられるということです。

ただし、以下の2点について注意が必要です。

  • ふるさと納税が優先される
  • 一部が控除されない場合もある

ふるさと納税が優先される

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合は、ふるさと納税の控除が優先されます。つまり、以下のような計算になります。

この場合、最終的に納めるべき税額は (B)円になります。以下のイメージ図でご確認ください。

  1. 納めるべき税額 ― ふるさと納税の控除額 = (A)円
  2. (A)円 ― 住宅ローン控除額 = (B)円

<ふるさと納税と住宅ローン控除を併用した場合のイメージ図>

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用した場合

※この図は、イメージです。正確な税額を表しているものではありません。

一部が控除されない場合もある

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用した場合に、一部が控除されないケースがあります。まずは、以下のイメージ図をご覧ください。

<ふるさと納税と住宅ローン控除の一部が控除されないケース>

ふるさと納税と住宅ローン控除の一部が控除されない

※この図は、イメージです。正確な税額を表しているものではありません。

この図のように、ふるさと納税額+住宅ローン控除額の合計が、納めるべき税額を上回る場合には、住宅ローン控除の一部が控除されません。この点を理解したうえでふるさと納税を利用しましょう。

ふるさと納税に関するQ&A

ふるさと納税の控除に関して、よくある質問とその回答を紹介します。

Q:ふるさと納税と住宅ローン控除に、医療費控除も併用できますか。

医療費控除も併用できます。ただし、ふるさと納税額と住宅ローン控除額が多い場合や、納税すべき金額が少ない場合に、一部が控除されないケースがあるので注意しましょう。

ふるさと納税で寄附をする前に、シミュレーションなどを利用して限度額を確認しておくことをおすすめします。

Q:ふるさと納税は、確定申告でどのように入力しますか。

ふるさと納税の控除は、「寄附金控除」です。確定申告の際には、「寄附金控除」欄に1年間の寄附金額を入力しましょう。

Q:ふるさと納税の寄附金額はどのように決めればよいですか

ふるさと納税の寄附金額は、自由に決められます。ただし、控除される金額は決まっているため、その金額を超えないように注意しましょう。

ふるさと納税の限度額については、以下のページで紹介しています。あわせてご覧ください。

Q:ふるさと納税をしたのに確定申告を忘れたらどうなりますか

ふるさと納税の控除を受けるには、ワンストップ特例の申請か、確定申告が必要です。手続きが行われなければ、ふるさと納税は単なる寄附とみなされ、控除を受けることができません。

ただし、確定申告を忘れた場合に、「更生の請求書」という書類を作成して後から申請できる制度があります。条件などは、税務署に問い合わせると丁寧に教えてもらえます。

「更生の請求書」には提出期限があるので、申請忘れに気付いたら速やかに手続きをしましょう。

まとめ

この記事では、ふるさと納税と住宅ローン控除の併用について紹介しました。

  • ふるさと納税・住宅ローン控除とは
  • ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる?
  • ふるさと納税に関するQ&A

ふるさと納税と住宅ローン控除は、併用できます。ただし、全額控除されない場合もあるので注意しましょう。ふるさと納税の限度額を知りたいときは、総務省のホームページやふるさと納税ポータルサイトのシミュレーションを利用すると便利です。

ふるさと納税を上手に活用して、節約しながら地域を応援しましょう。