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ふるさと納税の大人気クラフトビール「よなよなエール」のヤッホーブルーイング インタビュー Vol.1
ヤッホーブルーイングは、大阪府泉佐野市のふるさと納税で大人気の「よなよなエール」をはじめとするクラフトビールを製造するメーカーです。
2026年には、泉佐野市の「りんくうタウン」に体感型クラフトブルワリーの開業も予定しており、次々に新しい取り組みでビールファンを楽しませ続けているヤッホーブルーイング。今回は、同社の谷篤実様(ジャカさん)に、よなよなエールなどの製品について、そしてふるさと納税の取り組みについて話を伺いました。
株式会社ヤッホーブルーイング
谷 篤実様(ジャカさん)
― 今日はよろしくお願いいたします。まずは、ヤッホーブルーイングさんのビールについて教えてください。
当社が製造しているのは、クラフトビールというジャンルのビールです。クラフトビールというのは、つくり手たちの革新性から生まれた多様な味わいのビールのことを指します。
クラフトビールは、原材料や製法の自由度が高いので、独自の味や香りをつくり出せるのが特徴です。
― 一般的なビールとはどのように違うのでしょうか。
日本で主に飲まれているのは、ラガービールのなかでもピルスナーというスタイルのもので、これが日本のビール市場のほとんどを占めています。皆さんがビールと聞いて思い浮かべる、「スッキリした喉越し」を特徴とするビールですね。
それに対して、私たちがつくっているクラフトビールには多様なスタイルがあります。
― 多様とはどういうことですか。
実は、ビールには150種類以上のスタイルがあって、その違いは使用する麦芽やホップ、酵母の種類、さらには製法によって生まれます。
酵母によって、香りが全く異なるものができあがるんですよ。たとえば、ベルギー系の酵母を使うとバナナやスパイスのような独特の香りが生まれますし、アメリカンスタイルのホップを使うと、柑橘系やトロピカルフルーツのような香りになるんですね。こうした香りや味わいの幅広さが、クラフトビールの大きな魅力です。
― 原材料や製法の自由度が高いから、個性が表れやすいのですね。
そうです。麦芽の種類や加工方法によっても、味わいは変化します。焙煎された麦芽を使えば、濃厚で香ばしい味わいになりますし、調整次第ではすっきりとした飲み口になります。私たちは、香りと味わい、特に香りをすごく大切にしてクラフトビールを開発しています。
― ビールという日常的な飲み物で香りを楽しめるというのは、とても贅沢な時間ですね。
そうですね。その贅沢な時間を過ごして、日常を豊かにしていただきたいと考えています。私たちのミッションは「ビールに味を!人生に幸せを!」なので、ビールファンの皆さんにささやかな幸せを届けたいと願ってクラフトビールを作っています。
― 御社のビールは、製品名もとてもユニークですね。どのようにして決められているのでしょうか。
ありがとうございます。製品名は社内で決めています。基本的に社員がアイデアを出し合って考えていて、時には何百もの候補の中から一つに絞り込んでいます。
― どのような思いで、ユニークな名前を選ばれているのでしょうか。
私たちには、100人に1人でもいいから、私たちのビールを本当に好んで飲んでくださるお客様に飲んでいただきたいという考えがあるんですね。もちろん多くのお客様に好まれるのは良いことかもしれませんが、それよりも、この名前を面白いと思って選んでくださるお客様に届けたいと思っています。これは、私たちのものづくりへのこだわりのうちの一つでもあります。
― 製品名は、味や香りなどビールの中身とも関連があるのでしょうか。
そうですね。たとえば、当社の製品に「正気のサタン」という名前のアルコール度数が1%未満の微アルコール飲料があります。0.7%という微アルコールを飲んでも“正気”でいられる。にもかかわらず、本格的なクラフトビールの味を楽しめることから「悪魔的にやみつきになる」という発想により“サタン”2つの意味を合わせて「正気のサタン」という名前になりました。
また弊社の看板製品である「よなよなエール」には、「毎晩のように、個性豊かなエールビールを楽しんでいただきたい」という想いから名前がつけられています。
それぞれ、このように製品誕生の経緯や、お客様に伝えたいことなどを反映させた名前になっています。
― ということは、「水曜日のネコ」は水曜日に飲むということですか。
その通りです。主に働いている女性の皆さんに、週の半ばの水曜日にリラックスしていただきたい、そしてネコのように気ままに過ごしながら飲んでいただきたいという思いをこめてつけた名前です。
「水曜日のネコ」は、飲みやすく、オレンジピールとコリアンダーシードというスパイスのアロマを感じながら飲んでいただける味で、男女を問わず多くの方に選ばれている人気製品です。
― 新製品を開発されるときには、そのように「こういう人にこのように飲んでもらいたい」ということを決めていらっしゃるのですか。
はい、どういう方にどんなシチュエーションで飲んでいただきたいかというのをいつも決めています。
たとえば、北海道日本ハムファイターズの本拠地であるエスコンフィールドHOKKAIDOの球場内に「そらとしば by よなよなエール」というブルワリーレストラン(ビールの醸造所を併設したレストラン)があるのですが、この球場は天然芝が青々と広がっていて、屋根を開放すると青空が綺麗に見えるんですね。こういうところで飲むなら、すっきりしていて飲みやすいビールが合うということで、現地でのみ味わえるオリジナルのビールを開発しました。
― ありがとうございました。ここまでは、御社のビールや飲料についてのお話を伺いました。次の記事では、泉佐野市に建設予定の「ヤッホーブルーイング大阪醸造所 よなよなビアライズ」や、ふるさと納税の返礼品について伺います。
▶︎ ふるさと納税の大人気ビール「よなよなエール」のヤッホーブルーイング インタビュー Vol.2