11.10

ふるさと納税の控除額の計算方法|住民税と所得税に分けてわかりやすく解説
ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄附をすると、その金額分が所得税や住民税から控除される制度です。控除額の詳しい計算方法はいろいろなWebサイトで紹介されていますが、複雑で分かりにくいと感じる方もいるでしょう。
この記事では、ふるさと納税の控除額の計算方法を、所得税と住民税に分けてわかりやすく解説します。また、控除額が戻ってくるタイミングや確認方法についても説明していますので、ぜひ参考にしてください。
ふるさと納税の控除額の計算方法
ふるさと納税では、1年間に寄附をした合計額から自己負担額2,000円を除いた金額が、所得税と住民税から控除されます。所得税と住民税からいくらずつ控除されるかは、ワンストップ特例制度を利用した場合と、確定申告をした場合で異なります。

ワンストップ特例の場合の計算方法
ワンストップ特例制度は、ふるさと納税を行った自治体が5つ以内で、確定申告が不要な給与所得者の方が利用できる制度です。なお、ワンストップ特例を利用すると控除額の全額が住民税から控除されるため、所得税の還付はありません。
ワンストップ特例制度を利用した場合の住民税の控除額は、以下の計算式によって求められます。
住民税の控除額 = 寄附をした金額 – 2,000円
たとえば、ふるさと納税で50,000円寄附した場合は、48,000円が控除される計算になります。

確定申告の場合の計算方法
確定申告を行った場合は、所得税と住民税から控除されます。所得税と住民税の控除額は、それぞれ以下の計算式で求められます。
所得税の控除額
所得税の控除額は、以下の計算式で求められます。
所得税の控除額 = (寄附をした金額 – 2,000円) × 所得税率
※所得税率は5%〜45%で、その人の課税所得によって決まります。所得税率の調べ方は、この記事の最後で解説しています。
たとえば、年収500万円で所得税率10%の人がふるさと納税で50,000円寄附した場合、所得税の控除額は4,800円となります。

住民税の控除額
住民税の控除額は、「基本分」と「特例分」の2種類があり、それぞれ以下の計算式によって求められます。
<住民税の控除額(基本分)>
住民税の控除額(基本分)は、以下の計算式で求められます。
住民税の控除額(基本分) = (寄附をした金額 – 2,000円) × 10%
たとえば、ふるさと納税で50,000円寄附した場合、住民税からの控除額(基本分)は4,800円となります。

<住民税の控除額(特例分)>
住民税の控除額(特例分)は、以下の計算式で求められます。
住民税の控除額(特例分) = (寄附をした金額 – 2,000円)×(90% – 所得税の税率)
たとえば、年収500万円で所得税率10%の人がふるさと納税で50,000円寄附した場合、住民税の控除額(特例分)は38,400円となります。

ワンストップ特例と確定申告のどちらを利用しても同額が控除されます。

※上記の計算は、ふるさと納税の寄附金額が寄附限度額を超えない場合のものです。
ふるさと納税の控除額が戻ってくる時期と確認方法
ふるさと納税の控除額が戻ってくるタイミングは、所得税と住民税で異なります。それぞれの控除額が戻る時期と確認方法を見てみましょう。
所得税の還付のタイミングと確認方法
確定申告を行った場合の所得税の控除分は、寄附をした年の所得税から控除されます。所得税は既に納付済みなので、還付金という形で後日戻ってきます。
<還付のタイミング>
確定申告の1〜2ヶ月後に、銀行振込にて還付されます。受取口座は、確定申告時に入力して指定します。通常、4月〜5月頃に還付されることが多いです。
<確認方法>
還付金の額は、確定申告後に税務署から届く「国税還付金振込通知書」で確認できます。「国税還付金振込通知書」は基本的にハガキで届きますが、e-Taxで申告した場合は、e-Taxの「通知書等一覧」で確認することも可能です。
住民税の控除のタイミングと確認方法
住民税の控除分は、寄附をした翌年度の住民税から控除されます。控除が反映される時期や確認方法は以下の通りです。
<控除が反映されるタイミング>
住民税は、1月1日から12月31日までの所得に対して課税され、翌年6月から翌々年5月までの1年間にわたって徴収されます。
ふるさと納税の控除分も、寄附をした翌年6月から翌々年5月までの1年の間、毎月控除(減額)される形で反映されます。
<確認方法>
住民税の控除額は、6月頃に配布される「住民税決定通知書」で確認できます。「住民税決定通知書」は、会社員の場合は会社から配布され、それ以外の場合は自治体から郵送されます。
<参考>所得税率を調べる方法
所得税率は、以下の手順で調べることができます。
- 源泉徴収票で、自分の課税所得額を確認します。課税所得額は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」に書かれています。

2. 以下の表で、自分の所得税率を調べます。

まとめ
この記事は、ふるさと納税の控除額の計算方法と確認方法について、所得税と住民税に分けて詳しく解説しました。
- ふるさと納税の控除額の計算方法
- ふるさと納税の控除額が戻ってくる時期と確認方法
ふるさと納税の控除額の計算方法は、複雑なイメージがあるかもしれませんが、整理すれば難しい内容ではありません。正確に知りたい方は、この記事を参考に計算してみてください。
なお、ふるさと納税の控除限度額を簡単に調べたい場合は、早見表やシミュレーションなどで確認することができます。以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。