12.01
【5分でわかる】クラウドファンディングとは何?仕組みや種類、支援方法を初心者向けに解説
クラウドファンディングは、新製品やユニークなプロジェクトをいち早く見つけたい人や、社会貢献したい多くの人に利用されている仕組みです。
一方で、「参加してみたいけれど少し不安」「知人に頼まれて一度支援したけれど、自分から利用したことはない」という方もいるでしょう。
この記事では、クラウドファンディングに興味がある方や、もっと活用したいと考えている方に向けて、その仕組みや支援の流れ、リスクや注意点について詳しく解説します。
この記事を参考に、皆さんもぜひクラウドファンディングを体験してみませんか。
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、一言で言うと、多くの人々から資金を集める仕組みです。「Crowd(群衆)」と「Funding(資金調達)」から成る言葉で、その取り組みに賛同・共感した人々から広く支援を募ります。
インターネットで資金を集めるのが一般的で、支援した人に対してリターンが用意されることもあります。ここでいうリターンとは、支援に対するお礼のことで、品物、サービス、お礼メッセージなどがあります。
クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングは、大きく分けて5つのタイプに分類されます。
- 購入型
- 寄附型
- 融資型
- 投資型
- ふるさと納税
購入型
購入型とは、自分が支援したプロジェクトが成功し、製品が誕生した場合に、その品を受け取れる仕組みです。たとえば、世の中にまだない製品や自分が欲しかったものなどの開発プロジェクトを支援し、リターンを楽しみに待つ人も多いです。
早期に支援を申し込むと、先着順で割引されるプロジェクトもあります。
寄附型
寄附型とは、リターンを前提としないタイプのクラウドファンディングです。たとえば、地域活性化への取り組みや、自然災害からの復興支援など、地域貢献や社会課題解決などに対する支援が多いです。
融資型
融資型とは、プロジェクトに対してお金を貸し、返済とともに利息を受け取る方式です。社会的意義のあるプロジェクトに支援が集まる傾向があります。
投資型
投資型とは、いわゆる株式投資などと同じような方式です。将来性が見込めるプロジェクトに対して出資し、株式を手に入れます。プロジェクトが成功すれば株価が上がり、配当を受け取れるなどの金銭的なメリットがあります。
ふるさと納税型
近年、ふるさと納税型クラウドファンディングを実施する自治体が増えてきました。たとえば、自分が欲しい返礼品を選んで自治体に寄附すると、寄附金の一部がその返礼品生産者の設備費用に充てられるといったプロジェクトがあります。設備が充実することで、生産者がより効率的に良い製品を作れるようになり、結果としてふるさと納税の返礼品が充実するという好循環が生まれています。
また、ふるさと納税型の場合は、寄附をすると所得税の還付や住民税の控除を受けられるというメリットがあります。ふるさと納税は、寄附金額のうち2,000円を超える分が税額控除される仕組みです。詳しくは、こちらのページをご覧ください。
▶︎ ふるさと納税とは
クラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディングは、具体的にどのような仕組みになっているのでしょうか。一般的なクラウドファンディングの流れを紹介します。
- 起案者(支援を集めたい人)がプロジェクトの情報をインターネット上で公開します。自分が何をしたいのか、そのためにいくら資金を調達したいのかを示し、リターンの情報なども記載します。
- 支援者(資金を提供する人)がプロジェクトの内容を見て、賛同・共感した場合に、そのページから資金提供の手続きをします。リターンの内容でプロジェクトを選ぶ人も多いです。
- プロジェクトが成功したら、起案者から支援者にリターンが提供されます。
クラウドファンディングの具体例
クラウドファンディングの具体的な内容を見てみましょう。ここでは一例として、大阪府泉佐野市のふるさと納税型クラウドファンディング「#ふるさと納税3.0」を紹介します。
ふるさと納税型クラウドファンディングは、社会的意義があり、支援者にとってもメリットが大きい仕組みです。
大阪府泉佐野市の「#ふるさと納税3.0」とは
泉佐野市では、「#ふるさと納税3.0」という名前のふるさと納税型クラウドファンディングを実施しています。
寄附者(支援者)がプロジェクト対象の返礼品を選んで寄附をすると、寄附金の一部が返礼品の提供事業者(起案者)に補助金として交付されます。提供事業者は、その補助金を工場の建設や設備の拡充などに使い、より良い生産環境を整えるという仕組みです。
「#ふるさと納税3.0」の具体的なプロジェクト例
泉佐野市では、「#ふるさと納税3.0」でさまざまなプロジェクトのクラウドファンディングを実施しています。たとえば、以下のような例があります。
「ヤッホーブルーイング大阪醸造所 よなよなビアライズ」創造プロジェクト

よなよなエールで知られるヤッホーブルーイングは、泉佐野市内の広大な敷地に醸造所を建設中です。ここは、訪れた人がビールの生産過程を見学できるだけでなく、ゆっくり滞在してビールを飲んだり、買い物をしたりして楽しめる、エンターテインメント性の高い施設になる予定です。
よなよなエールなどのビールを選択して寄附をすると、その一部が建設費用に充てられるというプロジェクトで、終了まで150日を残している2025年10月時点で、すでに目標金額の480%も集まっている人気のプロジェクトです。

▶︎ ビールのクラウドファンディング返礼品例:大阪府泉佐野市のふるさと納税
タオル産地を救え!高機能ミシン導入プロジェクト

泉佐野市のある泉州地域は、日本のタオル発祥の地であり、泉州タオルの生産地でもあります。
高機能ミシンプロジェクトは、泉州タオルの生産効率を向上させたいというタオルメーカーが起案したプロジェクトです。生産者の高齢化によってミシンを扱える職人が減ってしまったため、より良いタオルを多くの方に届けるために高機能な自動ミシンを導入したいという目的で始まりました。
該当のタオルを選択して寄附をすると、その一部が高機能ミシン導入費用に充てられます。

▶︎ 泉州タオルのクラウドファンディング返礼品例:大阪府泉佐野市のふるさと納税
「#ふるさと納税3.0」の支援(寄附)手順
ふるさと納税型クラウドファンディングの支援(寄附)は、以下の手順で行えます。ここでは泉佐野市の「#ふるさと納税3.0」の申し込み方法を紹介しますが、他のクラウドファンディングでも同じような手順で手続きができます。

- クラウドファンディングのページを開き、支援(寄附)したいプロジェクトを選びます。泉佐野市の「#ふるさと納税3.0」は、以下のページです。
▶︎ #ふるさと納税3.0 - リターン(返礼品)を選択し、カートに入れます。
- クレジットカード情報や配送先などを入力して申し込みを確定させます。
クラウドファンディングの「All-or-Nothing」と「All-in」の違い
クラウドファンディングのプロジェクトには、All-or-Nothing型とAll-in型があります。この違いは支援する際にとても重要なポイントなので、正しく理解しておきましょう。
All-or-Nothing型とは
All-or-Nothing型とは、あらかじめ設定した目標金額を達成したときだけプロジェクトが成立するタイプのクラウドファンディングです。集めた資金が目標金額に届かない場合は、支援が成立せず、支援金は返金されるのが一般的です。
All-in型とは
All-in型とは、目標金額を達成しなくても集まった資金が起案者に渡るタイプのクラウドファンディングです。
資金が十分に集まらなくてもプロジェクトを実施できる一方で、資金不足によって計画の継続が難しくなっても、原則として支援金が返金されない点に注意が必要です。
クラウドファンディングのリスクや注意すべきポイント
クラウドファンディングは、これから始まるプロジェクトを支援する制度です。そのため、プロジェクトが成功しないリスクがあることを理解しておきましょう。
クラウドファンディングで考えられる主なリスクには、以下のようなものがあります。
- リターンが届かない・遅れるリスク
- リターンの内容が変わるリスク
- 資金の使い道が変わるリスク
リターンが届かない・遅れるリスク
クラウドファンディングでは、購入型のプロジェクトを支援したにもかかわらず、リターンが届かなかったり、届く時期が大幅に遅れたりすることがあります。
たとえば、思うように資金が集まらずプロジェクトを続けられなくなったり、製造過程でのトラブルによって大幅に遅延したりするケースもあるでしょう。季節商品の場合には、発送が遅れることによって必要な時期を過ぎてしまうこともあるかもしれません。
そのようなリスクを回避したい方は、ふるさと納税型クラウドファンディングを検討するのも良いでしょう。ふるさと納税型の場合は、自治体が実施しているふるさと納税の仕組みを利用しているため、リターンが届かないリスクは基本的にはありません。天候等の影響による発送遅延が生じる可能性はありますが、その点を考慮したうえで発送時期を設定し、返礼品紹介ページに明記している場合がほとんどなので、安心して申し込めるのが利点です。
リターンの内容が変わるリスク
クラウドファンディングでは、リターンの内容が変わる場合があります。たとえば、募集時には試作品が紹介されていて、その後の調整などによって仕様が変更されるケースがあります。
試作品より改善されていることも多いですが、カラーの選択肢やサイズが変更されて、期待と異なる製品が届くこともあるかもしれません。その場合でも、基本的に支援金は返金されませんが、それを理解したうえで、頑張っている起案者を応援する気持ちで支援するのが良いでしょう。
資金の使い道が変わるリスク
クラウドファンディングでは、資金の使い道が事前に決まっており、Webサイト上に掲載されているのが一般的です。しかし、さまざまな理由によって使い道が変更されるプロジェクトもあります。
内容に変更がある場合は支援者への報告義務があるため、プロジェクトの紹介ページや支援者へのメールで報告されます。もしそのような報告が届いたら、支援者からコメントを送信できる機能などを使って温かいコメントを送り、起案者を支援しましょう。
まとめ
この記事では、クラウドファンディングの仕組みや支援の流れ、リスク、注意すべきポイントなどを解説しました。
- クラウドファンディングとは
- クラウドファンディングの種類
- クラウドファンディングの仕組み
- クラウドファンディングの「All-or-Nothing」と「All-in」の違い
- クラウドファンディングのリスクや注意すべきポイント
クラウドファンディングは、私たち支援者にとって、新しい製品やサービスを知ったり、地域活性化など社会的意義のあるプロジェクトに参加したりできる魅力的な仕組みです。
皆さんもこの記事を参考に、欲しい製品や応援したいプロジェクトを見つけ、支援してみませんか。


