12.01
ふるさと納税の仕組みとお金の流れを徹底解説|いつ戻る?いくら戻る?
ふるさと納税を利用したことはありますか。
毎年多くの人が利用しているふるさと納税は、応援したい自治体に寄附をすることで支援できる制度です。寄附をすると地場産品がもらえるうえに、税金の控除も受けられるという魅力があるため、「まだ挑戦してはいないものの興味はある」「ずっと気になっていた」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ふるさと納税の仕組みを解説するとともに、実際に寄附する場合にいくら必要で、いつどのような形で手元に戻ってくるのかなど、お金の流れについても詳しく紹介します。これから初めてふるさと納税に挑戦する方や、仕組みがわからず迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
ふるさと納税の仕組み(お金の流れ)

ふるさと納税をする前に、仕組みを正しく理解しておきましょう。ふるさと納税は、以下のような流れになっています。
- まずは自己負担で寄附する(寄附後に返礼品が届く)
- 申請すると税金が還付・控除される
- 最終的に2,000円の自己負担になる
まずは自己負担で寄附する(寄附後に返礼品が届く)

ふるさと納税は、寄附をすると、寄附額から2,000円を引いた金額分の税金が還付・控除される仕組みです。
ここで注意したいのは、税金の還付・控除は翌年になるため、寄附自体は自己負担になる点です。年末などにまとめて寄附する場合は、支払いも一度に行うことになるので、計画的に準備しておくことをおすすめします。
寄附後には返礼品が届きます。返礼品の到着時期は品物によって異なります。
申請すると税金が還付・控除される

ふるさと納税後に申請を行うと、1年間の寄附合計額から2,000円を引いた金額の分だけ税金が控除されます(安くなります)。
控除される税金の種類は申請方法によって異なり、住民税から控除される場合と、所得税と住民税の両方から控除される場合がありますが、どちらの場合でも控除される合計額は基本的に同じです。
※一部例外があります。詳しくは、以下の記事で解説しています。
最終的に2,000円の自己負担になる
ふるさと納税後、税金が控除されると、最終的に2,000円の自己負担になります。つまり、「2,000円の自己負担で返礼品がもらえる」というのが、ふるさと納税の基本的な仕組みです。
なお、控除される金額には上限があります。詳しくは、次の章で解説します。
ふるさと納税とはどういう制度?
ここからは、ふるさと納税とはそもそもどういう制度なのかを解説します。返礼品の仕組みや、返礼品選びで迷った場合の選び方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ふるさと納税の目的
ふるさと納税は、税収の少ない地方自治体に寄附を集め、施設の拡充や地域振興、活性化などに役立てることを目的として導入された制度です。
自治体は、寄附の使い道として以下のようなものを掲げており、寄附者は自分が寄附したお金の使い道を指定することができます。
<寄附の使い道の例>
- 学校など教育施設の充実
- 子育て支援
- 社会福祉
- 図書館など公共施設の整備
- 災害対策
- まちづくり
ふるさと納税の税控除の仕組み

ふるさと納税が家計にどのような影響を与えるのか、どういう形で反映されるのかが気になっている方も多いでしょう。
ふるさと納税の税控除は、次のような仕組みになっています。
- 所得税は、翌年4月〜5月頃に還付される
- 住民税は、翌年6月〜翌々年5月に控除される
ふるさと納税の申請には、確定申告とワンストップ特例の2つの方法があります。ワンストップ特例で申請した場合は、全額が1年かけて住民税から控除されます。確定申告の場合は、所得税の一部が還付され、残りが住民税から控除されます。
それぞれの違いや条件については、以下の記事でご確認ください。
所得税の還付
ふるさと納税の申請を確定申告で行った場合は、所得税の一部が還付されます。還付金は、確定申告後、4月〜5月頃に銀行口座に振り込まれます。
住民税の控除
住民税は、前年1月〜12月の所得に基づいて、翌年6月〜翌々年5月の1年間で納める税金です。
(例)2025年の所得 → 2026年6月〜2027年5月の住民税に反映されます。
ふるさと納税も同じ仕組みで、その年の寄附金額のうち「2,000円を引いた金額」が、翌年6月〜翌々年5月の住民税から控除されます。
(例)2025年のふるさと納税 → 2026年6月〜2027年5月の住民税から控除されます。
つまり、ふるさと納税をすると、最終的には住民税の控除という形で反映されますが、それまではいったん全額を自己負担する必要がある点に注意が必要です。
なお、確定申告をした場合は控除額の一部が所得税として還付され、残りが住民税の控除として反映されます。ワンストップ特例を利用した場合は、控除額の全てが住民税からの控除になります。
ふるさと納税の控除上限額の仕組み
ふるさと納税で控除される金額には上限があり、控除上限額、寄附限度額などと呼ばれています。この上限額は人によって異なり、住民税や所得税をどれくらい納めているかによって決まります。つまり、
- 税金を多く納めている人は、上限額が大きい
- 税金が少ない人は、上限額も小さい
という仕組みになっています。
<例>年収400万円の場合
- 扶養家族がいない場合、納める税金が多いため、控除上限額は42,000円が目安
- 扶養する子どもがいる場合、納める税金が少ないため、控除上限額は12,000円〜33,000円が目安
控除上限額は、保険料や住宅ローン控除などの条件によっても変わります。正確な金額は、シミュレーターで確認してください。
ふるさと納税の返礼品の仕組み
ふるさと納税は、欲しい返礼品を選び、それに必要な寄附金額を納めることで寄附が成立する仕組みです。

▶︎ 大阪府泉佐野市のふるさと納税返礼品(寄附)申し込みページ例
返礼品ごとに寄附金額が決まっているので、自分の控除上限額と欲しい返礼品の兼ね合いを調整しながら選びます。
「返礼品は、寄附金額の3割以内相当のもの」というルールがあるので、たとえば5万円寄附した場合は、おおよそ1万5,000円相当の返礼品が届く仕組みです。
返礼品選びで迷ったら?ふるさと納税の選び方のポイント
返礼品選びで迷ったら、たとえば以下のような視点で選ぶのもおすすめです。
- 家計の節約につながるもの
- 日常的に使う実用品
- 自分や家族へのご褒美
- 休暇を楽しめる旅行券
- ずっと欲しかった高級家電
例として、ふるさと納税受入額全国1位の大阪府泉佐野市が提供する返礼品の中から、人気の高いおすすめ返礼品を紹介します。
家計の節約につながるもの
食べ物や飲み物などの返礼品は、家計の節約になるため常に人気があります。中でも、キロ単位の肉や、訳あり品などのお得な返礼品には毎年多くの申し込みが集まっており、子育て家庭や共働き家庭など多くの家庭の家計を助ける存在になっています。訳あり品とは、規格外のサイズのものや、外側にキズがついたために市場で販売できなくなったもので、味は通常の商品と変わらないので、お得です。
家計の節約につながる返礼品には、たとえば以下のようなものがあります。
<返礼品の例>
- 牛ハラミ肉(牛すじ付き)
- 銀鮭切り身

日常的に使う実用品
日用品や実用品は、ふるさと納税で多めにもらってストックしている家庭も多い人気の返礼品です。特に、ティッシュやトイレットペーパー、タオルなどの長期間保管できる生活必需品は、災害への備えとしてもおすすめです。
かさばるものをふるさと納税でもらっておくと、買い物が楽になるというメリットもあります。
<返礼品の例>
- ソフトパックティッシュ
- ホテルスタイルフェイスタオル

自分や家族へのご褒美
「普段は我慢しているおいしいビール」「自分ではなかなか買えない高級アクセサリー」などをもらって、頑張っている自分や家族へのご褒美にするのも、ふるさと納税の楽しみ方の一つです。
また、返礼品の中には、贈答用に包んでもらえるものもあります。特別な日のプレゼントにふるさと納税を活用するのもおすすめです。
<返礼品の例>
- よなよなエール
- プラチナダイヤモンド ペンダント 0.3ct

休暇を楽しめる旅行券
夏休みや年末年始、週末などを使って旅行をするなら、旅費の一部にふるさと納税を活用することもできます。
ふるさと納税では、寄附先の自治体の空港発着便や、その地域で1泊以上宿泊する旅行に使える旅行券・宿泊券などの返礼品が提供されています。たとえば大阪方面へ旅行をする場合は、大阪府泉佐野市に寄附をして「関西国際空港発着の航空券」をもらう、といった活用例があります。
ふるさと納税を利用することで旅費を抑えられるため、その分、現地で思う存分楽しんで、たくさんの思い出を作れるのが魅力です。
<返礼品の例>
- Peach旅行クーポン
- ホテル日航関西空港利用券

ずっと欲しかった高級家電
「気になっていたけれど、値段を考えると手が出なかった家電」を、ふるさと納税で選ぶ人も増えています。高機能ドライヤーやヘアアイロン、高級ブランドの家電など、毎日の暮らしを快適にしてくれる家電を返礼品に注目している方も多いのではないでしょうか。
ふるさと納税をきっかけに高級家電を導入すれば、長く使えるうえに日々の満足度も高まります。買い替えのタイミングと合わせて、みなさんも検討してみませんか。
<返礼品の例>
- KINUJO ドライヤー モカ
- cado ふとん乾燥機 フェーンプロ

ふるさと納税のやり方・手続きの流れ
ふるさと納税は、手順に沿って手続きをすれば簡単に始められます。ふるさと納税のやり方をステップごとに紹介するので、まだ一度も寄附をしたことがない方は、今年こそ挑戦してみませんか。
- 控除上限額を調べる
- 自治体と返礼品を選んで寄附をする
- 返礼品を受け取る
- 寄附金控除の手続きをする
1. 控除上限額を調べる
ふるさと納税で寄附をすると、その金額のうち2,000円を超える金額が、住民税や所得税から控除されます。ただし控除額には上限があり、その金額は所得によって決まります。その上限のことを、控除上限額といいます。
多く寄附をしてしまわないよう、最初に必ず上限額を確認しておきましょう。控除上限額は、シミュレーターで調べることができます。
2. 自治体と返礼品を選んで寄附をする
次に、自治体と返礼品を選びます。寄附の申込は、各自治体のふるさと納税サイトや、楽天ふるさと納税などのふるさと納税ポータルサイトで行えます。

インターネット通販での買い物と同じように手続きができるので、とても簡単です。
3. 返礼品を受け取る
寄附の申込が完了すると、返礼品が自治体から届きます。返礼品によって、数日で届くものもあれば数ヶ月かかるものもあります。
生鮮品が旅行中に届いてしまったり、申し込んだ返礼品が必要な時期に間に合わなかったりして困ることのないよう、配送時期を確認してから手続きを進めましょう。返礼品の配送時期は、返礼品の紹介ページに表示されています。
4. 寄附金控除の手続きをする
住民税や所得税の控除を受けるためには、寄附金控除の手続きが必要です。手続きには、以下の2つの方法があります。
- ワンストップ特例制度を利用する
- 確定申告をする
それぞれの手続き方法は、こちらのページで紹介しています。どちらも締切日が決まっているので、必ず期限内に手続きを済ませておきましょう。
ふるさと納税が人気の理由3つ
ふるさと納税の利用者や、自治体が受け取る寄附金額は、毎年増えています。この制度を多くの人が利用している理由を、3つのポイントに分けてご紹介します。

地場産品がもらえるお得な制度だから
ふるさと納税で寄附をすると、返礼品として地場産品がもらえるため、多くの人がそれを目的にふるさと納税を利用しています。
返礼品には、その地域のおいしい食べ物や雑貨、実用品などが含まれていて、そこでしか手に入らない希少なものも数多く提供されています。それらが実質2,000円の自己負担でもらえることが、多くの人に支持されている理由の一つです。
好きな自治体を選んで地域貢献ができるから
寄附をする自治体を自分で自由に選べるのも、ふるさと納税の魅力です。
ふるさと納税の本来の目的は、生まれ育った「ふるさと」を離れて暮らす人が、住民の減少や税収の減少に悩む「ふるさと」を支援できるようにすることでした。そのため、自分がかつて住んでいた地域や、災害復興に取り組む自治体など、支援を必要としている地域に直接寄附をして応援できる点が支持されています。
簡単な手続きで寄附できるから
ふるさと納税と聞くと、複雑そうなイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、実はとても簡単な手続きで寄附ができます。ふるさと納税の寄附件数が年々増加しているのは、この手軽さも理由の一つなのです。
ふるさと納税の手続きに不安を感じる場合でも、以下の2点を確認すれば損をすることはないので、安心して利用できるでしょう。
- 自分の控除上限額を確認し、その範囲内で寄附をする。
- ワンストップ特例、または、確定申告を必ず行う。
ふるさと納税に関するQ&A
ふるさと納税に関して、よくある質問とその回答をまとめて紹介します。
Q:寄附金の支払い方法を教えてください。
寄附金の支払い方法は、自治体や返礼品によって異なります。クレジットカード決済、銀行振込、コンビニ決済、Pay-easy決済、電子マネー決済などが用意されている場合がありますので、寄附をするサイトでご確認ください。
泉佐野市ふるさと納税寄附サイト「さのちょく」では、クレジットカード決済が利用できます。
Q:同じ自治体に複数回寄附をしても良いですか。
ふるさと納税では、同じ自治体に複数回寄附をすることが可能です。ただし、一部の返礼品には上限回数が設けられている場合があるので、返礼品の紹介ページで確認してから申し込むと安心です。
Q:寄附先の自治体の数に制限はありますか。
ふるさと納税で寄附できる自治体数に、上限はありません。ただし、ワンストップ特例制度を利用する場合、1年間で寄附できる自治体は5つまでと決められていますので注意しましょう。
Q:ワンストップ特例と確定申告の両方を行ったら、どうなりますか。
確定申告を行うと、ワンストップ特例の申請は無効になります。ワンストップ特例で既に申請済みでも、確定申告をする場合は改めて入力が必要です。
まとめ
この記事では、ふるさと納税の基本的な仕組みや、実際に寄附をする場合のお金の流れ、寄附の手順について紹介しました。
- ふるさと納税の仕組み
- ふるさと納税とはどういう制度?
- ふるさと納税のやり方・手続の流れ
- ふるさと納税が人気の理由3つ
- ふるさと納税に関するQ&A
ふるさと納税は、自分が選んだ自治体を寄附という形で応援でき、さらに自治体から返礼品を受け取れる、すばらしい制度です。
まずは自己負担で寄附をすると、1週間から数か月後に返礼品が届き、翌年には寄附金額から2,000円を引いた分が戻ってきます。一旦自分で支払わなければならないため、一時的に負担が増えますが、最終的には2,000円の自己負担で地域のおいしいものや素敵な製品を手に入れられるため、非常に人気があります。
まだふるさと納税をしたことがない方も、欲しい返礼品と応援したい自治体を選んで、今年こそふるさと納税をしてみませんか。12月31日まで申し込み可能なので、ぜひ申し込んでみてください。

