2025
08.17
届けたいのは“生を超える旨み”──泉佐野発・サーモン加工の現場から

届けたいのは“生を超える旨み”──泉佐野発・サーモン加工の現場から

ガイド

ノルウェーから空輸されてくるサーモンを、すぐさま泉佐野市の加工場で処理・冷凍。
株式会社南予ビージョイが届ける返礼品のサーモンは、そのスピードと鮮度を活かした“冷凍とは思えないほど生のようにしっとりして美味しい”と評判の逸品です。

魚の加工と向き合ってきた販売責任者・中村さんが大切にしているのは、機械でも技術でもなく、“丁寧なひと手間”でした。
「届けるのは魚じゃなくて、おいしさだと思ってます」
そう語る中村さんに、サーモンにかける想いや加工現場の工夫を聞きました。

アトランティックサーモン 1kg 刺身用ポーション 小分け 3パック 真空パック

ノルウェーから届いたその日に、すぐ加工して冷凍

― サーモンの加工品づくりを始めたきっかけは?

「もともと弊社は、スーパーなどの事業者に向けて、水産品を卸売する事業を行っていました。そうしたなかで、“もっと個人の食卓に近い存在として、私たちの技術や味を届けたい”という思いが湧いてきたんです」

全国各地のさまざまな魚に触れてきたなかで、まず最初に考えたのがノルウェーから届くサーモン。

「脂ののりが良くて、身も締まっていて、臭みもまったくない。その品質の高さに自信がありました。冷凍されていても品質を保てるという点で、取り扱いに安心感もありました」

解凍すればそのままお刺身やカルパッチョ、ソテーやムニエルにも使える冷凍サーモン。業務用途だけでなく、家庭用としても使いやすいよう、個包装された商品に加工し販売をスタートしました。

― 返礼品のサーモン、いちばんの特長は何ですか?

「ノルウェーで養殖されたサーモンを、冷蔵状態のまま空輸で関西空港まで運んでいます。そこからすぐ泉佐野の加工場まで持ってきて、すぐに処理して冷凍するのがうちのスタイルです」

「スピード命ですね。少しでも早く処理することで、身の締まりや風味がまったく変わってくる。『冷凍なのにしっとりしてる』とか『クセがなくて食べやすい』って感想をいただくと、本当にうれしいですね」

“冷凍だけど生のような食感”
それを実現しているのは、スピードとひと手間の積み重ねへの細部へのこだわり。

「“見た目がきれいで、おいしそう”と感じてもらうには、ちょっとした手間がすごく大事。扱いが乱雑だと、ドリップが出てしまったり、色が悪くなったりするんですよね」

― サーモンの選定で重視しているポイントは?

「やっぱり脂の乗り方、繊維の細かさ、身の色、そういった要素を見て判断しています。同じ“冷凍サーモン”でも品質に差があるので、仕入れ段階からかなり細かく見ています」

「実際に扱ってみないと分からないことも多いので、現場の声を仕入れ担当にもフィードバックして、改善を重ねています」

関空からの距離が決め手。泉佐野に工場を構えた理由

届けたいのは“生を超える旨み”──泉佐野発・サーモン加工の現場から

普段サーモンなどを加工している現場

― 本社は愛媛とのこと。なぜ泉佐野に工場を?

「もともとは愛媛で養殖した鯛を、生きたまま泉佐野に運んできて締めるという流れがあったんです。高速道路も近くてアクセスが良く、関空からもすぐ。ここなら”将来、輸出にも対応しやすいだろう”という判断でした」

「あと、設備も土地も条件が合った。ご縁が重なった感じですね」

“何を使うか”より、“どう扱うか”

届けたいのは“生を超える旨み”──泉佐野発・サーモン加工の現場から

違いを生むのは、加工のスピードと精度

― 加工工程で、特にこだわっていることは?

「実は、冷凍の技術ってある程度どこも同じなんですよ。差が出るのは“どれだけ早く・丁寧にさばけるか”。魚の状態って、数時間で変わるんです」

「うちは届いたらすぐに、真空パックして、冷凍。このスピード感と処理の丁寧さで、味がまったく違ってくると思っています」

「商品には“解凍方法のご案内”もつけていて、氷水や冷蔵庫でゆっくり戻してもらうと、よりおいしく食べてもらえますよ」

― 現場ではどんな雰囲気で作業されていますか?

「新人からベテランまでが声を掛け合いながら、きめ細やかな作業を続けています。」

「また、衛生管理にも万全を期しており、作業者ごとの記録やチェック体制を徹底。定期的な勉強会やアップデートも行っています。」

「お客様に届ける商品は、自分たちの顔そのもの。だから、当たり前のことを丁寧に続けるのが一番大事だと思っています」

直接届く感想が、現場の力になる

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食べやすく小分けにされているサーモン

― ふるさと納税での反響はどうですか?

「寄付者の方から『また頼みました』『冷凍なのに本当においしい』といった声をいただいて、ありがたいですね。以前は飲食店やスーパーさん向けの出荷がメインだったので、消費者の反応ってなかなか聞けなかったんです」

「中にはリピーターの方で、4〜5セットまとめて注文してくださる方もいて。“そんなに?”と最初は驚きました(笑)」

自分たちの仕事が、目の前の“おいしい”につながっている。
その実感が、ものづくりの原動力になります。

― 小分けで使いやすそうで良いですね。

「家庭での使いやすさを考え、小分けパックの商品が主流です。」

「1枚ずつ真空包装してあるから、必要なぶんだけ解凍して使えるんです。冷蔵庫で解凍してすぐ調理できるし、サラダとかにしてもいい」

同社では、過度な加工や味付けをせず、「素材そのままのおいしさを楽しめる」ことを大切にしています。

「おいしくて便利、でもシンプル。それが理想ですね。料理が得意な方はもちろん、忙しい方にも“使いやすい”と好評をいただいています」

注文のピークは年末。冷凍庫の拡張で対応

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株式会社南予ビージョイの販売責任者の中村様

― やはり年末に注文が集中しますか?

「そうですね、11月・12月がピークです。最初の年は想定より多くて、冷凍庫がパンクしかけました(笑)」

― かなり出荷数も増えているんですね。

「はい。今では年間1万5千件ほど出荷していて、設備も少しずつ拡張してます。今年は2万件を目標にしています」

「泉佐野市さんとも連携しながら、“無理せず、でもしっかり届ける”体制を整えていきたいですね」

鯛と西京漬けも人気。“焼くだけで主役になる一品”を目指して

届けたいのは“生を超える旨み”──泉佐野発・サーモン加工の現場から

― サーモン以外にも商品があるんですね?

「はい。鯛は愛媛で養殖したものを泉佐野で加工していて、こちらも定番商品です。それと最近人気なのが、“サワラの西京漬け”ですね」

「今後は“漬け魚シリーズ”を増やして、もう少しラインナップを広げたいと考えています」

― 中村さんが考えている今後の展望をぜひお聞かせください

「今後の展望としては、会社の方向性と同じく他魚種の展開や、体験型のプロモーションとかできたら面白そうですね。」

「魚ごとに最適な処理が違うと思うので、そこを極めることを検討したいなと思っています」

「あとは、工場見学や直販スペースなど、消費者が実際の現場に触れられる機会も作れたらいいのかな。“どこでどう作られているか”が見えると、安心感が違うと思うんです。そういう信頼の積み重ねが、長く選ばれる理由になるんじゃないかと考えています」

編集後記

“どれだけ早く、ていねいに魚を扱えるか”
その問いに愚直に向き合う現場には、一手間にこだわり続ける“人の技”と“想い”が息づいていました。

空輸されたサーモンが、その日のうちに加工・冷凍されていく工程。
その背景には、“冷凍だからこそできる最高の味”を届けようとする、静かな情熱があります。

泉佐野の地で魚と向き合い、全国の食卓へ。
“冷凍”のイメージが変わる一品を、ぜひ一度ご自宅で味わってみてください。