08.05

産休・育休中でもふるさと納税できる?限度額・おすすめ返礼品・損をしないポイントまで徹底解説
「産休・育休中でもふるさと納税はできるのかな」
「産休・育休中にふるさと納税で損をしたくない」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
産休・育休中は所得が変動しやすく、ふるさと納税の限度額や申請方法がこれまでとは異なる場合があるため、「損をしそうで不安だから、やめておこうかな」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、ふるさと納税を正しく活用すれば、子育てや家事に役立ち、家計の助けになる返礼品を受け取れます。
この記事では、産休・育休中でもふるさと納税ができるのか、控除の仕組みや注意点、手続き方法やおすすめの返礼品についてわかりやすく解説します。制度を正しく理解して、ふるさと納税を上手に活用しましょう。
産休・育休中でもふるさと納税できる?
産休・育休中であっても、ふるさと納税を利用することは可能です。ただし、寄附できる限度額は産休・育休前と変わる場合が多いため、注意が必要です。
ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄附をする仕組みです。ふるさと納税には、2つの特徴があります。
- 寄附金額から2,000円を超える分が、所得税・住民税から控除される。
- 寄附先の自治体から返礼品がもらえる。

実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえるため、多くの人がふるさと納税の制度を利用して自治体に寄附をしています。
ふるさと納税の限度額とは
ふるさと納税では寄附できる限度額が決まっており、その金額は課税所得を基に算出されます。課税所得とは、年収から給与所得控除や社会保険料控除、配偶者控除、医療費控除などの各種控除を差し引いたあとに残る、税金の対象となる金額のことを指します。

ふるさと納税の限度額の計算方法
ふるさと納税の限度額は、以下の計算式によって算出されます。

ふるさと納税の限度額がいくら以上なら損をしない?
ふるさと納税で寄附をする場合、7,000円程度以上寄附ができれば、損をしない可能性が高いです。
ふるさと納税は、寄附金額のうち自己負担額2,000円を差し引いた分が税金から控除される制度です。
さらに、返礼品は基本的に寄附金額の3割程度以下の価値があるため、たとえば7,000円を寄附した場合には、2,000円の自己負担で約2,100円程度以下の返礼品を受け取れると考えられます。
そのため、7,000円以上の寄附ができれば、損をしない範囲と考えられます。
産休・育休中のふるさと納税の考え方と注意点
産休・育休中でも、その年に課税所得があり、7,000円程度以上寄附ができれば、損をせず利用できる可能性が高いです。
ただし、産休・育休中に受け取る出産育児一時金や出産手当金、育児休業給付金は非課税のため、課税所得に含まれない点に注意しましょう。
また、課税所得は、年収から給与所得控除や医療費控除分などを引いた金額です。医療費控除の対象となる出産費用や通院交通費などがある場合は、課税所得が減少し、ふるさと納税の限度額が下がるため、その点にも考慮が必要です
・産休・育休中も、その年に課税所得(給与収入等)があればふるさと納税は可能。ただし、限度額に注意が
- 産休・育休中も、その年に課税所得(給与収入等)があればふるさと納税は可能。ただし、限度額に注意が必要。
- 出産育児一時金や出産手当金、育児休業給付金は非課税のため、ふるさと納税の対象外。
- 医療費控除がある場合、課税所得が減る。
ふるさと納税の医療費控除については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてぜひご覧ください。
ふるさと納税と医療費控除を賢く併用|損をしないためのポイントとは
産休・育休中のふるさと納税の申請方法

ふるさと納税で寄附をしたら、税金の控除を受けるために寄附金控除の申請手続きが必要です。産休・育休中は、産休前と異なる申請方法になることがあるので注意しましょう。
申請方法1:ワンストップ特例制度
ワンストップ特例制度とは、簡単な手続きで寄附金控除の申請ができる制度で、主に会社員などに利用されています。
ワンストップ特例制度は、以下の条件を満たす場合に利用できます。
- 1年間の寄附先が5自治体以下であること
- その年に確定申告をしないこと
産休・育休中も、この条件を満たす場合はワンストップ特例制度を利用できます。
<注意>医療費控除を受けるために確定申告をする場合は、ワンストップ特例制度の対象外になります。
申請方法2:確定申告
医療費控除などがあってワンストップ特例制度を利用できない場合は、確定申告で寄附金控除の申請をします。確定申告とは、1年間の収入や控除の内容を申告し、所得税や住民税の金額を確定させる手続きです。
確定申告と聞くと難しそうに感じられるかもしれませんが、最近ではマイナンバーカードを使って自宅から簡単に手続きができるようになっています。確定申告の際には、寄附をした各自治体から届く「寄附金受領証明書」が必要になるため、大切に保管しておきましょう。
なお、確定申告を行うと、すでに提出したワンストップ特例制度の申請は無効となります。ワンストップ特例制度で申請済みの場合でも、確定申告で改めて申請が必要なので注意しましょう。
- ワンストップ特例制度または確定申告で寄附金控除の申請をする。
- 医療費控除などがある場合は、確定申告が必要。
- ワンストップ特例制度と確定申告の併用は不可。ワンストップ特例制度で申請済みでも、確定申告をする場合は再度寄附金控除の申請をする必要がある。
ワンストップ特例制度や確定申告については、以下の記事で詳しく解説しています。
ワンストップ特例制度とは?オンライン・郵送の申請方法や確定申告との違い、忘れた場合の対処法
ふるさと納税の確定申告|やり方と必要書類、忘れた場合の対処法
産休・育休中のふるさと納税に関するQ&A

産休・育休中にふるさと納税を検討している方から寄せられる、よくある質問とその回答を紹介します。制度の仕組みや手続きに不安がある方は、ここで一度確認しておきましょう。
Q:産休・育休中にふるさと納税をすると損をしますか。
産休・育休中でも、その年のふるさと納税の限度額がある程度確保されていれば、制度のメリットを受けられます。目安として、限度額が7,000円以上あれば、損をせず活用できると考えられます。
ふるさと納税の限度額については、こちらの記事でも解説しています。
Q:産休・育休中でもふるさと納税の控除を受けられますか。
産休・育休中でも、課税所得があればふるさと納税は可能です(控除を受けられます)。ただし、産休・育休中で医療費控除の対象になる場合は、課税所得が減るため注意が必要です。
Q:産休・育休手当は年収(課税所得)に含まれますか。
出産育児一時金や出産手当金、育児休業給付金は非課税のため、課税所得には含まれません。その年に給与収入などがない場合は、ふるさと納税の寄附金控除の対象外になるため、注意しましょう。
Q:夫婦共働きの場合は、どちらの名義で寄附すればよいですか。
ふるさと納税は、寄附者本人の税金から控除される制度です。そのため、夫が寄附をした場合は夫の税金から控除され、妻が寄附をした場合は妻の税金から控除されます。なお、クレジットカード決済の場合は、本人の名義のクレジットカードを使用する必要があります。
Q:ふるさと納税の限度額を超えて寄附をするとどうなりますか。
限度額を超えて寄附をした場合、その超過分は税金の控除を受けられず、自己負担となります。寄附をする前に、ふるさと納税ポータルサイトのシミュレーションを利用するか、居住する自治体に問い合わせて、自身の限度額を正確に確認しておきましょう。
産休・育休中におすすめのふるさと納税返礼品
ふるさと納税では、産休・育休中の買い物の負担を減らせるものや、家事や育児に役立つものが多く提供されています。たとえば、以下のような返礼品が選ばれています。
- 肉や野菜、レトルトなどの「食料品」
- 持ち帰るのが重い「飲料」
- ティッシュやタオルなどの「日用品」「消耗品」
肉や野菜、レトルトなどの「食料品」

産休・育休中は、買い物に出る時間が限られたり、授乳や通院、急な予定変更で調理に十分な時間が取れなかったりすることも多いものです。そのような場合に備え、解凍して焼くだけ・温めるだけで食べられるものや、常備しておきたい野菜など、手間をかけずに食事の準備ができる食料品の返礼品は特におすすめです。
<産休中・育休中におすすめの食料品の例>
- 肉・魚(冷凍庫に常備できるもの)
- 野菜の定期便
- レトルトや冷凍食品
持ち帰るのが重い「飲料」

産休・育休中は、買い物の頻度を減らすだけでなく、重い荷物を運ぶ負担もできるだけ避けたい時期です。特に飲料類は、まとめ買いをすると重くなりがちで、自宅まで運ぶのが大変だと感じる方も多いのではないでしょうか。
ふるさと納税の返礼品には、コーヒーや、ビール、日本酒など、さまざまな飲料がそろっています。デカフェ(カフェインレス)のおいしいコーヒーや、近隣では手に入りにくい地酒などをストックしておくのもおすすめです。
<産休中・育休中におすすめの飲料の例>
- 手軽に飲めるコーヒー
- 来客時に重宝するクラフトビールや日本酒
ティッシュやタオルなどの「日用品」「消耗品」

産休・育休中は、ティッシュやタオルなどの日用品や消耗品が多く必要になります。特にタオルや寝具は、肌が敏感な赤ちゃんのために新しく買い揃えたいと考えている家庭も多いのではないでしょうか。
ふるさと納税では、いくらあっても困らないティッシュや、子育て家庭で重宝されるタオル・寝具など、実用的な日用品の返礼品が充実しています。
<産休中・育休中におすすめの日用品・消耗品の例>
- 泉州タオルなど、肌ざわりが優しく吸水性の高いタオル
- ベビーケットなどの寝具
- ストックしておきたいボックスティッシュ
まとめ
この記事では、産休・育休中のふるさと納税について解説しました。
- 産休・育休中でもふるさと納税できる?
- 産休・育休中のふるさと納税の申請方法
- 産休・育休中のふるさと納税に関するQ&A
産休・育休中は、収入や控除の内容がこれまでと変わるため、ふるさと納税の限度額や手続きに戸惑う方もいるかもしれません。ですが、制度の仕組みを正しく理解すれば、家事や育児に役立つ返礼品がもらえます。
育児や家事で忙しい時期だからこそ、暮らしに役立つ返礼品を選び、地域を応援しながら家計をサポートしてみてはいかがでしょうか。まだふるさと納税をしたことがない方も、ぜひ今年こそ始めてみませんか。